中国電力の年収はやばい？平均774万円の実態と口コミ評判を徹底解説

「中国電力への就職・転職を考えているけど、実際の年収はどれくらいなんだろう？」
「ネットで『やばい』という噂も見るけど、本当のところはどうなの？」

中国地方を代表するインフラ企業、中国電力。安定した優良企業というイメージがある一方で、業績や将来性に関するネガティブな情報も目にすることがあり、実態が気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、中国電力の年収について、最新の公式データや社員の口コミを基に徹底的に解説します。

この記事を読めば、以下のことが分かります。

• 中国電力の最新の平均年収
• 年代別・職種別のリアルな年収モデル
• 競合他社と比較した年収の立ち位置
• 「やばい」と言われる理由と、「安定・高水準」と言われる理由
• 年収以外の働きがいや福利厚生の実態

就職・転職は人生の大きな決断です。本記事が、あなたが中国電力という企業を多角的に理解し、後悔のないキャリア選択をするための一助となれば幸いです。

中国電力の平均年収は774万円｜最新データで解説

まず結論からお伝えすると、中国電力の平均年収は非常に高い水準にあります。最新の公式データと近年の推移を見ていきましょう。

有価証券報告書から見る平均年収と平均年齢

中国電力が公開している最新の有価証券報告書（第100期：2023年4月1日～2024年3月31日）によると、同社の従業員の基本情報は以下の通りです。

平均年収は約774万円と、国税庁が発表している日本の平均給与458万円（令和4年分）を300万円以上も上回っており、国内トップクラスの給与水準であることがわかります。

ただし、この数値は総合職だけでなく、一般職や発電所・送配電部門で働く現業職も含めた全従業員の平均値です。また、平均年齢が43.1歳と比較的高いため、若手社員の年収はこれよりも低く、ベテラン社員はさらに高い年収を得ていると考えられます。

近年の年収推移【グラフで見る】

中国電力の平均年収は、常に安定しているわけではありません。過去5年間の有価証券報告書から平均年収の推移を見ると、業績の変動が給与に影響を与えていることが読み取れます。

2020年度から2023年度にかけては緩やかな減少傾向にあり、特に2023年3月期には大幅に減少しました。これは、世界的な燃料価格の高騰により、会社の業績が大きく悪化したことが主な原因です。しかし、2024年3月期には回復基調に転じており、業績の改善が社員の給与にも反映され始めていることが分かります。

このように、電力会社の年収は、燃料費や原子力発電所の稼働状況といった外部要因に左右される側面があることを理解しておく必要があります。

ボーナス（賞与）はいくら？

中国電力のボーナス（賞与）は、年収の中でも特に業績との連動性が高い部分です。

例年の支給実績を見ると、年間で給与の3〜4ヶ月分程度がひとつの目安とされています。しかし、業績が好調な年はそれ以上になることもあれば、前述のように大幅な赤字を計上した年度には、支給額が大幅にカットされることもあります。

ボーナスの具体的な支給月数は、毎年、労働組合と会社との交渉（春闘）によって決定されます。そのため、入社を検討する際は、その年の業績動向や交渉結果にも注目しておくとよいでしょう。

【年代別】中国電力のリアルな年収モデル

有価証券報告書の平均年収だけでは、自分のライフステージにおける具体的な収入をイメージしにくいかもしれません。ここでは、社員の口コミサイトなどの情報を基に、年代別の年収モデルを見ていきましょう。

※ここでの金額は、残業代や各種手当を含んだ推定値であり、個人の役職や評価によって変動します。

20代の年収

• 年収目安：400万円 〜 600万円

大卒の初任給は23万円台（2025年度予定）と、他社と比較して特別高いわけではありません。しかし、そこから毎年着実に昇給していきます。20代後半には、残業代を含めて年収500万円を超えるケースが多く見られます。

特に注目すべきは、福利厚生の手厚さです。格安で入居できる独身寮や社宅制度が充実しているため、家賃などの固定費を大幅に抑えることができます。そのため、額面の年収以上に可処分所得が多く、経済的な余裕を感じやすいのが特徴です。

30代の年収

• 年収目安：600万円 〜 800万円

30代になると、多くの社員が最初の役職である「主任」クラスに昇進します。それに伴い、年収も大きく上昇し、600万円から800万円のレンジに入ってきます。

この年代になると、同世代の平均年収を大きく上回り始め、生活にも安定感が出てきます。結婚や子育てといったライフイベントを迎える社員も多く、安定した収入は大きな安心材料となるでしょう。

40代の年収

• 年収目安：800万円 〜 1,000万円超

40代は、管理職へのキャリアパスが本格化する年代です。順調に昇進すれば「課長代理」や「課長」といった役職に就き、年収は800万円を超え、1,000万円の大台も見えてきます。

一方で、この年代からは昇進の有無によって年収に大きな差がつき始めます。管理職になるためには社内の昇進試験に合格する必要があり、ここがキャリアの大きな分岐点となります。

50代以降の年収

• 年収目安：900万円 〜 1,200万円以上

50代では課長職以上が中心となり、年収は900万円から1,200万円が目安となります。さらに「部長」クラスまで昇進すれば、年収1,300万円を超えることも夢ではありません。

ただし、中国電力にも役職定年制度が存在します。一定の年齢に達すると役職を離れることになり、それに伴い年収も変動します。その後は再雇用制度などを活用して働き続ける社員も多く、セカンドキャリアを見据えた働き方が求められます。

【職種・役職別】中国電力の年収レンジ

同じ中国電力の社員でも、職種や役職によって年収は変わってきます。ここでは、その違いについて詳しく見ていきましょう。

職種別の年収比較：技術職 vs 事務職

中国電力の職種は、大きく「技術職」と「事務職」に分けられます。

• 技術職：発電所や変電所、送配電ネットワークの建設・保守・運用などを担います。
• 事務職：営業、企画、総務、経理、人事など、会社の運営を支える業務を担います。

一般的に、同じ年齢・役職であれば、技術職の方が年収は高くなる傾向にあります。これは、発電所などでの交代勤務や、現場作業に伴う各種手当（危険手当、待機手当など）が支給されるためです。

一方、事務職は本社や主要な支社での勤務が多く、昇進の機会に恵まれやすいという側面もあります。そのため、長期的なキャリアパスによっては、事務職が技術職の年収を上回るケースも考えられます。

役職別の年収推移：昇進でどこまで上がる？

中国電力は典型的な年功序列型の企業であり、勤続年数と役職に応じて年収が着実に上がっていく給与体系です。役職ごとの大まかな年収レンジは以下のようになっています。

主任までは勤続年数に応じてほぼ全員が昇進できますが、課長代理以上になるには昇進試験をパスする必要があります。この試験の難易度は高く、ここでキャリアの差が生まれると言われています。しかし、一度管理職に昇進すれば、年収1,000万円を超える高収入が安定的に得られるようになります。

競合他社との年収比較｜電力業界・中国地方での立ち位置

中国電力の年収は高い水準にあることが分かりましたが、他の会社と比較するとどのレベルなのでしょうか。業界内と地域内、2つの視点から見ていきましょう。

主要電力会社（東京電力・関西電力など）との比較

まずは、他の大手電力会社との平均年収を比較してみましょう。

※各社の有価証券報告書より（2024年3月期）

全国規模の大手電力会社の中では、中国電力の年収は中位からやや下位に位置しています。首都圏や関西圏を地盤とする電力会社と比較すると見劣りする部分もありますが、それでも770万円を超える年収は、依然として全国的に見ても高水準であると言えます。

中国地方の主要企業（マツダ・中国銀行など）との比較

次に、本社を中国地方に置く主要な上場企業と年収を比較してみましょう。

※各社の有価証券報告書等より（2024年3月期）。JFEスチールは非上場のため推定値。

この比較から分かる通り、中国電力の年収は、事業エリアである中国地方においてはトップクラスです。自動車メーカーのマツダや地方銀行の雄である中国銀行など、地域の優良企業と比較しても100万円以上の差をつけています。

地元で就職し、高い収入を得て豊かな生活を送りたいと考える人にとって、中国電力は非常に魅力的な選択肢であることは間違いありません。

中国電力の新卒採用情報｜初任給とキャリアパス

これから就職活動を始める学生の方に向けて、新卒採用の情報を解説します。

学歴別の初任給（大学卒・大学院卒）

中国電力の公式サイトに掲載されている2025年4月入社予定者の募集要項によると、学歴別の初任給は以下の通りです。

初任給の金額自体は、他の大手企業と比べて大差ありません。しかし、重要なのはその後の昇給カーブです。前述の通り、中国電力は安定した昇給が見込めるうえ、手厚い福利厚生によって可処分所得が多くなります。目先の初任給だけでなく、生涯年収という視点で見ると非常に恵まれた待遇と言えるでしょう。

新卒からのキャリアと年収モデル

新卒で入社すると、まずは充実した研修制度で社会人としての基礎や電力事業に関する専門知識を学びます。その後、各部署に配属されますが、中国電力ではジョブローテーション制度が採用されており、数年おきに異なる部署や事業所を経験しながらキャリアを積んでいくのが一般的です。

標準的なキャリアパスとしては、

• 入社10年前後：主任に昇進（年年収600〜800万円）
• 入社15年〜20年：管理職（課長代理・課長）に昇進（年年収800万円〜）

といったモデルが考えられます。様々な業務を経験することで、会社全体の事業を理解したゼネラリストとして成長していくことが期待されています。

「中国電力の年収はやばい」と言われる3つの理由【ネガティブな評判】

ここまで見てきたように、中国電力の年収は非常に高水準です。しかし、インターネット上では「やばい」といったネガティブな評判を目にすることもあります。それには、いくつかの理由があります。就職・転職を検討する上で知っておくべきリスクや課題について、3つの視点から解説します。

理由①：業績悪化と給与・ボーナスへの影響

最大の理由は、会社の業績が給与、特にボーナスに直結するという点です。近年、ロシアのウクライナ侵攻などを背景とした世界的な燃料価格の高騰により、電力会社の経営は大きな打撃を受けました。

中国電力も例外ではなく、2023年3月期には巨額の赤字を計上。その結果、社員のボーナスは大幅にカットされました。年収推移のグラフで見たように、平均年収も大きく下がっています。

「インフラ企業だから絶対に安泰」というわけではなく、社会情勢によって年収が大きく変動するリスクがあることは、「やばい」と言われる一因になっています。

理由②：電力自由化による将来性への不安

2016年の電力小売全面自由化により、これまで地域独占で安定した収益を上げてきたビジネスモデルは大きな転換点を迎えました。多くの新電力が市場に参入し、価格競争が激化しています。

中国電力も顧客の流出を防ぎ、新たな収益源を確保するために様々な取り組みを進めていますが、競争環境が厳しくなっているのは事実です。こうした会社の将来性に対する漠然とした不安が、「このままで大丈夫なのか？」という意味で「やばい」という言葉につながっている側面があります。

理由③：年功序列の強い企業体質

社員の口コミなどでしばしば指摘されるのが、昔ながらの年功序列の風土が根強く残っているという点です。勤続年数に応じて安定的に給与が上がるのはメリットである一方、若手が大きな成果を上げても、それがすぐに給与や役職に反映されにくいというデメリットもあります。

成果主義や実力主義を重視する人にとっては、モチベーションを維持しにくい環境と感じられるかもしれません。安定と引き換えに、個人の成果が評価されにくい旧来の企業体質を「やばい」と表現する人もいます。

「中国電力は安定・高水準」と言われる3つの理由【ポジティブな評判】

「やばい」という声がある一方で、中国電力が依然として多くの就活生や転職者から人気を集める優良企業であることも事実です。ネガティブな評判を覆す、ポジティブな理由を3つご紹介します。

理由①：インフラ企業としての圧倒的な安定性

ネガティブな理由として業績変動を挙げましたが、それでもなお、中国地方の電力を一手に担うインフラ企業としての事業基盤は極めて強固です。人々の生活に電気は不可欠であり、事業が完全になくなることは考えられません。

倒産のリスクは限りなく低く、長期的に安心して働くことができる環境は、何物にも代えがたい大きな魅力です。この圧倒的な安定性こそが、中国電力が選ばれ続ける最大の理由でしょう。

理由②：中国地方ではトップクラスの給与水準

他社との比較で見たように、全国の大手電力会社の中では中位レベルの年収ですが、事業エリアである中国地方に限定すれば、その給与水準は間違いなくトップクラスです。

地元に根ざして働きながら、地域の他のどの企業よりも高い収入を得られる可能性が高いというのは、大きなメリットです。地域社会に貢献しながら、経済的に豊かな生活を送りたいと考える人にとっては、これ以上ない環境と言えるかもしれません。

理由③：充実した福利厚生（社宅・手当など）

中国電力の魅力は、額面の年収だけではありません。非常に手厚い福利厚生制度が、社員の生活を強力にサポートしています。

• 社宅・独身寮：主要な事業所の近くに完備されており、非常に安い家賃で入居できます。特に若手社員にとっては、生活費を大幅に節約できる大きなメリットです。
• 住宅手当：賃貸住宅に住む社員に対しても、手厚い家賃補助が支給されます。
• 家族手当・カフェテリアプランなど

これらの福利厚生によって、実質的な手取り額（可処分所得）は、額面の年収以上に多くなります。こうした目に見えない待遇の良さも、中国電力の大きな強みです。

社員・元社員の口コミから見るリアルな評判

ここでは、匿名口コミサイトなどに寄せられた社員・元社員の声をいくつか紹介し、よりリアルな企業イメージに迫ります。

年収・評価制度に関する口コミ

ポジティブな意見
「年功序列で安定している。何もしなくても毎年給料は上がっていくので、安定志向の人には最高の環境だと思う。」
「中国地方の企業の中では間違いなくトップクラスの給与。福利厚生も手厚く、生活に困ることはまずない。」

ネガティブな意見
「ボーナスが業績に大きく左右される。赤字の年はかなりカットされ、年収が100万円単位で変わることもある。」
「評価制度はあるが、結局は年功序列。若手が頑張っても評価されにくく、モチベーションが上がらない。」

ワークライフバランスに関する口コミ

ポジティブな意見
「本社勤務であれば、有給も取りやすく残業も少ない。ワークライフバランスは非常に良い。」
「フレックスタイム制度や時間単位休暇など、柔軟な働き方ができる制度が整っている。」

ネガティブな意見
「部署による差が激しい。特に発電所や現場に近い部署は、突発的な呼び出しや夜間・休日の対応も多く、プライベートの時間は確保しにくい。」
「36協定ギリギリまで残業している部署もあると聞く。配属先によって天国と地獄。」

働きがい・成長環境に関する口コミ

ポジティブな意見
「地域の生活を支えているという実感があり、社会貢献性は非常に高い。仕事に誇りを持てる。」
「研修制度は手厚く、様々な資格取得も会社が支援してくれる。学ぶ意欲があれば成長できる。」

ネガティブな意見
「ジョブローテーションが多く、一つの分野の専門性を突き詰めるのが難しい。ゼネラリスト育成が基本。」
「良くも悪くも大企業。意思決定のスピードが遅く、若手の意見が通りにくいと感じることがある。」

中国電力の年収に関するよくある質問（FAQ）

最後に、中国電力の年収や働き方に関して、多くの人が抱くよくある質問にQ&A形式でお答えします。

Q1. 中国電力の離職率は高いですか？

A. 離職率は低い水準にあると推測されます。

公式な離職率は公表されていませんが、インフラ企業特有の安定性や高水準の待遇から、離職率は低いと考えられます。口コミを見ても、「一度入社したら辞める人は少ない」といった声が多く聞かれます。

ただし、近年は若手層を中心にキャリア観が多様化しており、専門性を高めるためや、より挑戦的な環境を求めて転職するケースも増えているようです。

Q2. 中国電力への転職は難しいですか？

A. 転職難易度は高いと言えます。

中国電力では中途採用（キャリア採用）も定期的に実施していますが、募集される職種は電気・機械・土木・ITといった専門的な知識や実務経験が求められる技術職が中心です。

待遇が良く人気も高いため、応募者も多く、採用のハードルは高いです。転職を成功させるためには、これまでのキャリアで培った専門性を明確にアピールする必要があります。転職エージェントなどを活用し、非公開求人を含めて情報収集を行うのが有効でしょう。

Q3. 女性が働きやすい環境ですか？

A. 女性が長期的にキャリアを築きやすい環境が整っています。

中国電力は、女性の活躍推進に力を入れています。産前産後休暇や育児休業制度はもちろん、復職後の短時間勤務制度などが整っており、制度の利用率も高い水準にあります。

「えるぼし認定」や「くるみん認定」といった国からの認定も受けており、女性管理職の登用も積極的に進められています。出産や育児といったライフイベントと仕事を両立させながら、キャリアを継続していきたい女性にとって、働きやすい環境と言えるでしょう。

まとめ：中国電力の年収は「やばい」のか？就職・転職の判断ポイント

この記事では、中国電力の年収について、様々な角度から詳しく解説してきました。

【記事のポイント】

• 平均年収は約774万円と、国内でもトップクラスの高水準。
• 年代別に見ると、30代で600〜800万円、40代の管理職では1,000万円超も可能。
• 電力業界全体では中位レベルだが、中国地方では圧倒的なトップクラスの給与。
• 「やばい」と言われる理由は、業績連動による年収の変動リスクや年功序列の企業体質にある。
• 一方で、インフラ企業としての安定性や手厚い福利厚生は大きな魅力。

結論として、中国電力の年収は「やばい」という一面的な言葉で片付けられるものではありません。業績によって年収が変動するリスクや、旧来の企業体質といった側面は確かに存在します。しかし、それを上回るほどの事業の安定性、地域の他社を圧倒する給与水準、そして額面には表れない福利厚生の手厚さを兼ね備えています。

最終的に中国電力があなたにとって「良い会社」であるかどうかは、あなたが仕事に何を求めるかによって決まります。

• 安定した環境で、長期的に安心して働きたい
• 地元（中国地方）で高収入を得て、豊かな生活を送りたい
• 成果主義よりも、チームワークや協調性を重視したい

このような価値観を持つ方にとって、中国電力は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。この記事で得た情報を基に、ご自身のキャリアプランと照らし合わせ、後悔のない決断をしてください。