サイボウズの年収は低い?【やばい】評判の真相から働きがいまで徹底解説

チームワークを重視した独自の企業文化と、kintoneなどの革新的な製品で知られるサイボウズ。その一方で、年収水準や「やばい」と噂される働き方について、気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、サイボウズの年収体系から、良い意味でも悪い意味でも「やばい」と言われる評判の真相、そしてリアルな働きがいまで、転職や就職を考える上で本当に知りたい情報を徹底的に解説します。

有価証券報告書などの公式データと、社員のリアルな口コミを基に多角的に分析しますので、この記事を読めば、サイボウズがあなたにとって本当にフィットする会社なのか、深く理解できるはずです。

サイボウズ株式会社とは?基本情報を解説

まずはじめに、サイボウズ株式会社がどのような企業なのか、その基本情報から見ていきましょう。企業の全体像を掴むことで、年収や働き方の背景にある価値観をより深く理解できます。

事業内容:kintoneやGaroonでDXを推進

サイボウズは、企業や組織のチームワークを支援するグループウェアの開発・販売を主力事業としています。主な製品は以下の通りです。

  • kintone(キントーン): 専門知識がなくても、自社の業務に合わせたシステムを簡単かつ柔軟に作成できるクラウド型の業務改善プラットフォーム。
  • Garoon(ガルーン): 大規模な組織向けに、情報共有や意思決定をスムーズにする機能が豊富なグループウェア。
  • サイボウズ Office: 中小企業向けに、スケジュール共有や掲示板など、情報共有に必要な機能をパッケージ化したグループウェア。
  • Mailwise(メールワイズ): 複数人でのメール対応を効率化し、対応漏れや二重対応を防ぐメール共有システム。

これらの製品を通じて、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を力強く推進しており、特に国内のグループウェア市場ではトップクラスのシェアを誇ります。

企業理念:「チームワークあふれる社会を創る」

サイボウズのすべての企業活動の根幹にあるのが、「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念です。

この理念は単なるスローガンではありません。製品開発の指針はもちろん、後述する独自の働き方や情報公開の文化、人事制度に至るまで、あらゆる側面に色濃く反映されています。社員一人ひとりが自律し、多様性を尊重しながら活発に議論を交わし、チームとして大きな成果を出すことを目指す。この価値観が、サイボウズという企業を形作っています。

会社概要と近年の業績推移

企業の安定性成長性を客観的に判断するために、基本的な会社概要と業績の推移を見てみましょう。

項目 内容
会社名 サイボウズ株式会社 (Cybozu, Inc.)
設立 1997年8月8日
本社所在地 東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー 27階
資本金 613百万円(2023年12月末時点)
従業員数 1,123名(連結、2023年12月末時点)
事業拠点 日本(東京、大阪、松山など)、海外(中国、ベトナム、アメリカ、オーストラリア)

▼連結売上高推移

決算期 売上高
2021年12月期 184億8,700万円
2022年12月期 219億6,000万円
2023年12月期 253億4,400万円

出典:サイボウズ株式会社 IRライブラリ

グラフからも分かる通り、売上高は年々堅調に増加しており、安定した成長を続けていることが伺えます。

サイボウズの年収は高い?給与体系を徹底解剖

転職や就職を考える上で、最も気になるのが年収でしょう。ここではサイボウズの給与体系について、さまざまな角度から詳しく見ていきます。

全体の平均年収と国内平均との比較

サイボウズが公開している有価証券報告書によると、2023年12月期の平均年間給与は約699万円です。

この金額を、国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」の日本の平均給与458万円と比較してみましょう。

平均年収
サイボウズ 約699万円
日本国内平均 約458万円

出典:サイボウズ株式会社 IRライブラリ, 国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査

このデータから、サイボウズの年収は国内平均を240万円以上も上回っており、非常に高い水準にあることが分かります。口コミサイトなどを見ると、実際の平均年収は700万円~800万円台という声も多く、待遇面の満足度は高いと考えられます。

【職種別】エンジニア・ビジネス職の年収レンジ

サイボウズでは、職種別によって年収レンジが異なります。口コミサイトや採用情報から想定される年収レンジは以下の通りです。

職種 年収レンジ(目安) 役割
開発職(エンジニア、デザイナー) 400万円~1,200万円以上 製品開発、インフラ構築、UI/UXデザインなど
ビジネス職(営業、マーケティング) 500万円~1,000万円 パートナー営業、マーケティング戦略、カスタマーサクセスなど
コーポレート職(人事、経理など) 450万円~900万円 人事制度企画、財務、法務など

特にエンジニア職は専門性やスキルに応じて年収の上限が高く設定されており、トップクラスの人材は1,200万円を超えるケースもあるようです。

【年齢別】20代・30代・40代の年収モデル

年齢やキャリアステージによっても年収は変動します。あくまでモデルケースですが、年代別の年収イメージは以下のようになります。

年代 年収モデル(目安) 想定される役割
20代 400万円~600万円 若手、ポテンシャル層
30代 600万円~900万円 中堅、チームリーダー
40代 800万円~1,200万円以上 管理職、シニアスペシャリスト

年功序列ではなく、個人のスキルや貢献度によって評価されるため、若手でも高いパフォーマンスを発揮すれば、早期の年収アップが期待できます。

新卒の初任給とキャリアパス

新卒採用における初任給キャリアパスは、以下の通り職種ごとに設定されています。(2025年度入社実績)

  • ビジネス職: 年俸400万円~
  • エンジニア職: 年俸500万円~700万円
  • デザイナー職: 年俸500万円~700万円

※学歴(大卒、院卒)による差はなく、個人のスキルやポテンシャルに応じて決定されます。

入社後は、手厚い研修やOJT、メンター制度を通じてスキルを磨き、キャリアを築いていきます。後述する「給与交渉」の文化があるため、自身の成長と貢献をアピールすることで、着実にキャリアアップと年収アップを目指せる環境です。

独自の給与制度:給与の交渉と情報の公開

サイボウズの給与体系で最も特徴的なのが、社員自らが希望給与を交渉する文化と、全社員の給与テーブルが社内で公開されていることです。

年俸制と給与決定プロセス

サイボウズの年俸制の給与は、以下の2つの軸で決定されます。

  1. 市場価値: 社外の転職市場における自身の価値
  2. 貢献期待値: 社内での実績や今後の貢献に対する期待

社員は、転職サイトのスカウト情報や外部データを基に自身の市場価値を把握し、上長との面談で希望年俸を提示します。会社側も客観的なデータを用いて評価を行い、双方が納得するまで議論を重ねて給与が決定されます。これは、同社が掲げる「自立と議論」の文化を体現した制度と言えるでしょう。

昇給・賞与(ボーナス)の実態

  • 昇給: 給与改定の機会は年に1回以上あり、前述の給与交渉を通じて昇給が決まります。
  • 賞与(ボーナス): 年俸とは別に、会社の業績(連結営業利益)に連動した賞与が支給されます。業績が好調であれば、その分社員への還元も大きくなる仕組みです。

競合他社(SaaS・大手IT)との年収比較

サイボウズの年収水準をより客観的に評価するため、同業のSaaS企業や大手IT企業と比較してみましょう。競合他社との比較は重要です。

会社名 平均年収 業種
サイボウズ 約699万円 SaaS/グループウェア
Sansan 約821万円 SaaS/名刺管理
freee 約854万円 SaaS/会計ソフト
富士通 約879万円 大手IT(SIer)
NEC 約842万円 大手IT(SIer)

※各社の有価証券報告書(2023年度)を基に作成

競合のSaaS企業と比較すると同等かやや低い水準に見えますが、日系の大手IT企業と比較しても遜色のない、高い給与水準であることがわかります。ただし、GAFAMに代表される外資系IT企業のトップ層と比較すると見劣りする可能性はあります。

サイボウズは「やばい」と言われる評判の真相

検索エンジンで「サイボウズ」と入力すると、「やばい」という関連キーワードが表示されることがあります。この「やばい」には、ポジティブとネガティブ、両方の意味合いが含まれています。ここでは、その評判の真相を一つひとつ解き明かしていきます。

良い意味で「やばい」と言われる理由

まずは、多くの社員やIT業界関係者から「常識外れですごい」「働きやすさが異次元」と称賛される、良い意味で「やばい」理由を見ていきましょう。

働き方の自由度が異次元(選択的週休3日制・ウルトラワーク)

サイボウズの働き方の自由度は、他社の追随を許さないほど自由度が高いことで知られています。

  • 選択的週休3日制: 社員が自身のライフスタイルや価値観に応じて、週休3日(労働時間8割、給与8割)を選択できる制度です。
  • ウルトラワーク: 働く場所や時間を社員が自由に決められる制度。自宅やカフェ、地方でのリモートワークはもちろん、海外から働く社員もいます。

これらの制度は単なる福利厚生ではなく、社員の自律性を最大限に引き出し、生産性を高めるための経営戦略として機能しています。

給与・議事録も公開する徹底した情報透明性

サイボウズは「公明正大」を文化として掲げ、徹底した情報透明性を行っています。

  • 給与テーブルの公開: 全社員の給与額が社内で公開されています。
  • 議事録の公開: 経営の意思決定が行われる取締役会の議事録も、原則すべて社員に公開されます。

これは、社員を信頼し、一人ひとりが会社の状況を理解した上で自律的に判断・行動することを促すためです。この圧倒的な透明性が、社員の納得感とエンゲージメントを高める要因となっています。

「100人100通り」を許容する多様なカルチャー

「100人いれば100通りの働き方があってよい」という考え方が、サイボウズには深く根付いています。育児や介護、副業、大学院への進学など、社員それぞれの事情やライフステージに合わせた働き方が許容される風土があります。画一的な働き方を強いるのではなく、個人の幸福とチームの成果の両立を目指すこの多様なカルチャーが、多くの優秀な人材を惹きつけています。

離職率28%からのV字回復

今でこそ「ホワイト企業」の代名詞的存在ですが、かつてサイボウズは深刻な経営危機にありました。2005年には、激務から社員が次々と辞めていき、離職率は28%にまで達しました。

この危機を乗り越えるために、創業者の青野社長主導のもと、人事制度の大改革や理念の再定義に着手。その結果、現在の離職率は4%前後という低い水準にまで劇的に改善しました。この「失敗からのV字回復」という成功体験が、現在の強固な組織文化の土台となっています。

悪い意味で「やばい」と懸念される点

一方で、サイボウズの独特な文化や制度に対して、ネガティブな評判懸念点が存在するのも事実です。入社後のミスマッチを防ぐためにも、これらの点を正直に見ていきましょう。

過去のブラック企業時代のイメージ

前述の通り、サイボウズには離職率が28%に達した「過去のブラック企業時代」がありました。現在のホワイトな企業文化を知らない人からは、その頃のイメージが今もなお語られ、「サイボウズは大丈夫か?」という懸念に繋がっている可能性があります。しかし、これは過去の話であり、現在の実態とは大きく異なることを理解しておく必要があります。

外資系ITと比較した際の給与水準への不満

サイボウズの年収は国内では高水準ですが、GAFAMに代表される外資系IT企業との比較でトップティアと比較すると、見劣りする場合があります。特に市場価値が非常に高いトップエンジニアなどにとっては、給与のみを最優先する場合、より高額な報酬を提示する外資系企業のほうが魅力的に映るかもしれません。

「自立と議論」の文化が合わない可能性

サイボウズで働く上で最も重要なのが、「自立と議論」の文化への適応です。

  • 自立: 指示を待つのではなく、自ら課題を見つけ、考え、行動することが求められます。
  • 議論: 役職に関係なく、自分の意見を率直に表明し、他者と建設的な議論を交わすことが日常的に行われます。

トップダウンの指示に慣れている人や、議論が苦手な人にとっては、この文化が大きなストレスになる可能性があります。

手当より給与で報いる福利厚生の方針

サイボウズはかつて存在した住宅手当や通勤手当といった画一的な手当を廃止し、その原資を給与に上乗せして社員に還元する福利厚生の方針を採っています。これは「社員が自由に使えるお金を増やす」という考え方に基づきますが、手厚い家賃補助などを期待する人にとっては、福利厚生が物足りなく感じられる可能性があります。

働きがいと社風は?口コミから見るリアルな声

ここでは、OpenWorkなどの口コミサイトに寄せられた社員や元社員の声を基に、リアルな声として働きがいや社風を探ります。

ワークライフバランスの実態(残業時間・有給取得率)

ワークライフバランスに関しては、非常にポジティブな声が大多数を占めます。

  • 残業時間: 「平均残業時間は月10時間程度と非常に少ない」「プライベートの時間をしっかり確保できる」
  • 有給休暇: 「有給は100%消化が当たり前の文化」「時間単位で休暇を取得できるので、通院などにも便利」

最長6年間の育児・介護休暇制度などもあり、ライフステージの変化に柔軟に対応できる環境が整っていることが高く評価されています。

仕事のやりがいと成長できる環境

仕事のやりがい成長できる環境についても、満足度の高い口コミが多く見られます。

  • やりがい: 「自社製品が社会の役に立っていると実感できる」「お客様からの『ありがとう』が直接のモチベーションになる」
  • 成長環境: 「社内勉強会が活発で、常に新しい知識を学べる」「手を挙げれば、年齢に関わらず挑戦させてもらえる風土がある」

自社サービスへの誇りと、自律的な成長を後押しする文化が、社員のモチベーションを高めているようです。

人間関係と組織文化(風通しの良さ)

サイボウズのフラットな組織文化は、人間関係組織文化にも良い影響を与えています。

  • 人間関係: 「役職や年齢に関係なく『さん』付けで呼び合う文化で、非常に風通しが良い」「尊敬できる優秀な人が多い」
  • 組織文化: 「自分の意見を言いやすい環境。建設的な議論が歓迎される」「性善説に基づいているので、社員同士の信頼関係が厚い」

ただし、「常に議論を求められるのが少し面倒に感じることもある」といった声も一部には見られます。

福利厚生とユニークな社内制度

基本的な社会保険はもちろん、サイボウズならではのユニークな社内制度が多数あります。

  • 働き方支援: 選択的週休3日制、ウルトラワーク、育児・介護休暇など
  • オフィス環境: バランスの取れた食事ができる社員食堂「デリ」、社内マッサージルームなど
  • コミュニケーション促進: 部活動支援、社内イベントなど

社員が心身ともに健康で、創造的に働ける環境づくりに力を入れていることが伺えます。

女性の働きやすさとダイバーシティ

女性の働きやすさダイバーシティの推進は、サイボウズが特に注力している分野です。

  • 産休・育休: 取得率・復職率ともに非常に高く、男性社員の育休取得も活発。
  • 柔軟な働き方: 時短勤務や在宅勤務を柔軟に活用し、子育てとキャリアを両立している女性社員が多い。
  • 評価: 性別に関わらず、成果や貢献度で公正に評価される。

多様なバックグラウンドを持つ人材が、それぞれのライフステージに合わせてキャリアを継続できる企業として、高い評価を得ています。

サイボウズへの転職・就職に向いている人・向いていない人

最後に、これまでの情報を総括し、どのような人がサイボウズで活躍でき、どのような人がミスマッチを起こしやすいのかを、向いている人・向いていない人としてまとめます。

サイボウズで活躍できる人物像

理念に強く共感できる人: 「チームワークあふれる社会を創る」という理念に心から共感し、その実現に貢献したいという情熱を持てること。

自律的に行動できる人: 指示待ちではなく、自ら課題を発見し、解決策を考え、主体的に行動できる「自立」した人材。

オープンな議論を楽しめる人: 自分の意見を率直に述べ、他者の意見にも敬意を払うことができる。チームとしての成果を最大化するための議論を前向きに捉えられる人。

ミスマッチを起こしやすい人物像

トップダウンの指示を好む人: 明確な指示系統や階層的な組織構造の中で働くことを好む人。

安定や給与額だけを求める人: 企業の理念や文化への共感よりも、福利厚生の手厚さや給与額のみを最優先する人。

議論や対立を避けたい人: 自分の意見を表明したり、他者と意見を戦わせたりすることに強いストレスを感じる人。

採用選考で重視されるポイント

サイボウズの採用選考では、スキルや経験以上に「企業理念への共感度」が最も重視されます。面接では、「なぜサイボウズなのか」「サイボウズで何を成し遂げたいか」といった質問を通じて、カルチャーフィットが見極められます。

自身の経験の中から、「自律性」や「チームへの貢献意欲」を示す具体的なエピソードを語れるように準備しておくことが、選考突破の鍵となるでしょう。

まとめ:サイボウズは理念に共感し自律的に働きたい人にとって理想的な環境

この記事では、サイボウズの年収、評判、働きがいについて徹底的に解説しました。

  • 年収: 平均年収は約699万円と国内平均を大きく上回り、日系大手IT企業と比較しても遜色ない高水準
  • 評判: 「やばい」という評判は、選択的週休3日制など「良い意味でやばい」自由な働き方を指すことが多い。一方で、「自立と議論」の文化が合わない可能性など、懸念点も存在する。
  • 働きがい: 離職率の低さが示す通り、ワークライフバランスや人間関係の満足度は非常に高く、ホワイトな労働環境が整っている。

結論として、サイボウズは「チームワークあふれる社会を創る」という理念に強く共感し、指示待ちではなく自律的に思考・行動し、オープンな議論を通じてチームに貢献したいと考える人にとって、他に代えがたい理想的な職場環境と言えるでしょう。

もし少しでも興味が湧いたら、公式サイトの採用情報をチェックしたり、説明会に参加したりして、さらに詳しい情報を得てみることをお勧めします

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