日本は地震や台風など自然災害が多い国といわれています。
水道・電気・ガスといった家のライフラインが止まってしまったときや、避難所など家から離れた場所に避難する場合は防災グッズを持って行くとよい、ということも現在では多くの人に知られています。
しかし、いざ用意するとなると『何が必要か』『どんなものを選べばいいか』などわからないことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、防災グッズの種類や選び方などについてご紹介したいと思います。
防災グッズの選び方とは?災害の備え・避難生活で本当に必要なものを確認
地震や台風などいざというときの災害に備えて、防災グッズをそろえておく人が増えています。
防災グッズは『非常持ち出し袋』としてリュックなどにつめて一つにまとめて玄関先など目の付きやすい場所に置いておくと、緊急時にすぐに持ち出しやすくすることができます。
しかし、『防災グッズを一からそろえる』といった場合は、必要なもの・必要でないものがわからなくて何から用意すればいいのか戸惑ってしまうかもしれません。
そこでまずは、防災グッズを準備する方法、用意しておくと役に立つグッズなどをご紹介したいと思います。
はじめて防災グッズを用意するときに『防災セット』でそろえるやり方
『まだ防災グッズを用意していなくて、これからそろえていく』という場合、避難に必要なものを1つ1つ買い集めるのはとても大変です。
種類が多くなるほど買い忘れもしやすくなりますし、『どれくらいの大きさの入れ物(リュック、カバンなど)なら入るか』から考えることになる場合もあります。
そこで、防災グッズを初めて用意する人は『防災セット』の購入からはじめる方法がおすすめです。
食料や水、避難用グッズなどをリュックごと購入するので、買ったものをそのまま非常持ち出し袋として使うことができます。
防災セットを用意したら『自分に必要なものを買い足す』
防災グッズセットを手に入れた後は、必ず中身を出してすべてチェックし、自分に必要なものを買い足しておきましょう。
また、食料や水が入っていても、リュックの容量を取りすぎないように量が少なめになっていることがあるので、あらかじめ量をチェックしておくと安心です。
セット内容や数はパッケージや商品ページに書いてあるので、事前に確認してから購入してすると買い足す手間を省きやすくなると思います。
防災グッズを『一次防災』『二次防災』に分けて用意する方法
防災グッズは、『一次防災』と『二次防災』というカテゴリーに分けて考えられることがあります。
避難や避難生活に必要なものをすべてひとまとめにするとかなりの量になるので、緊急時に持ち出すのが難しくなります。
そのため、『危険な場所から離れるために最低限必要なもの』『ある程度安全が確保できた状態で復旧を待つ間に使うもの』は分けて保管しておくと非常時でも身軽に動きやすくなります。
ここでは、一次防災・二次防災の防災グッズをそれぞれご紹介したいと思います。
災害発生の緊急時に持ち出す『一次防災』用防災グッズ
一次防災用の防災グッズは、『避難所に移動するまでの時間を過ごすための、非常時にすぐ持ち出せる』程度の最低限の必要品です。
一次防災グッズをそろえるときは、下記のリストを参考にしてみましょう。
- 飲料水(1人につき500ml×4本)
- 非常用保存食(1人につき2~3日分)※そのまま食べられるものがおすすめ
- 貴重品(保険証・免許証などの身分証明書、通帳、印鑑など)
- 現金(小銭を多めに用意する)
- 救急用品(ばんそうこう、包帯、常備薬、消毒液など)
- ヘルメットや防災ずきん、軍手
- レインコート
- 懐中電灯、携帯ラジオ、携帯電話の充電器(モバイルバッテリー)
- 毛布(アルミブランケット)、衣類や下着
一次防災グッズはすぐに持ち出せる・簡単に持ち運べるように、『5kg』以内に収まるようにしておくと理想的です。
避難する人の事情に合わせた個別の防災グッズ
基本的な防災グッズ以外にも、『持病があって毎日飲む薬がある』など個別の事情がある人は、個人に合わせた必要品を用意しておくといいでしょう。
下記に一例をご紹介しますので、自分や家族の状況に照らし合わせながらチェックしてみてください。
対象 | 必要品・備蓄品の例 |
---|---|
女性 | 生理用品、ヘアゴム |
乳幼児 | 使い捨て哺乳瓶、粉ミルク、離乳食 |
高齢者 | 常用している薬(期限があるので長期保管はしない)、紙おむつなどの介護用品、水なしで使える入れ歯洗浄剤 |
ペット | キャリー、ペットフード、ペット用シーツ、防臭袋、ミニテント(避難所の屋内に入れられないとき) |
ライフラインなしで数日間生活するための『二次防災』用防災グッズ
二次防災用の防災グッズは、『ライフラインが止まっている状況で、復旧を待ったり救援物資が届くまでの数日間を過ごす』ための備蓄品です。
一次防災用グッズをそろえたうえで、追加で下記のような二次防災グッズを用意しておくもの、と考えておきましょう。
- 数日分の備蓄食料と飲料水
- 使い捨ての食器
- 食品用ラップフィルム
- ポリ袋
- 携帯カイロ
- エアーマット、寝袋
- 歯ブラシ、洗口液
- ドライシャンプー
- ウェットティッシュ
- 簡易トイレ
- ウォータータンク
防災グッズを買い足す・交換するときにチェックしておくこと
『防災グッズは過去に買って保存してある』という場合でも、定期的に状態をチェックして、必要に応じて買い足したり新しく交換しましょう。
保存水・保存食にも消費期限があるので、期限が近付いてきたらふだんの食事などで消費し、新しく購入したものを改めて備蓄しておきます。
充電器・電池の状態をチェック
防災用のモバイルバッテリーや電池を保管しているときも、定期的に状態をチェックしておきましょう。
充電器は充電しない状態でも少しずつ放電しているため、非常時に充電切れしないよう1ヶ月~数ヶ月に1回程度は充電しておく必要があります。
また、ふだんはあまり気にしませんが電池には『使用推奨期限』があります。
期限を過ぎると持続時間が短くなったり、液漏れの原因になることがあるため、保管している電池で期限の近いものは使ってしまうか廃棄して新しいものに入れ替えましょう。
防災グッズのおすすめ10種類を紹介!状況別のおすすめグッズとは
ここからは、防災グッズのおすすめを10種類ご紹介したいと思います。
『これから揃える人向け』『避難時にあると便利なもの』『自宅避難する人向け』と状況別にご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
はじめての人におすすめの『防災グッズセット』
『備蓄品はまだ買っていない・保管場所も決めていない』など、何もない状態から防災グッズの準備を始めるときは、ある程度の必需品が詰め合わせになっている防災リュックを購入するのがおすすめです。
防災リュックだけでもさまざまな製品がありますが、内容物だけではなく『何人用か』『何日分の想定か』などでも異なるため、一緒に避難する人数など状況に合わせて選ぶといいでしょう。
Defend Future 防災セット 防災士監修 非常用持ち出し 防災リュック
※購入は、ご自身の判断・責任のもと行ってください。
防災士の監修のもと作られた防災セットで、『3日間生き抜くこと』を想定した防災グッズが用意されています。
防災グッズがリュックに入っていない状態で届けられますが、中身をすべてリュックに入れてもまだ余裕があるので、自分に必要なものを追加しやすくなっています。
LA・PITA ものすごい防災セットプレミアム1人用
※購入は、ご自身の判断・責任のもと行ってください。
手に持つ・背負う・転がすと3通りの持ち運び方が可能で、お年寄りなどリュックを使うのが大変な人にも使いやすい防災セットです。
容量があって重くなることが多い防災リュックは、(悪路や混雑した状況でなければ)キャリーケースのように使うと背負うより楽になる場合があります。
保存食や保存水、簡易トイレ、寝袋など各種必要品も一通り入っています。
避難所で過ごすときにあると安心できる防災グッズ
ここでは、自宅を離れて避難所で過ごすときにあると便利な防災グッズをご紹介いたします。
防災リュックのセットに入っていなかったり、備蓄品になかったときは用意しておくと安心できると思います。
Emmabin 非常用ラジオライト
※購入は、ご自身の判断・責任のもと行ってください。
災害時はこまめに情報をチェックして状況を知ることが大切ですが、スマートフォンは充電が減りやすいことがあるので多用は避け、ラジオで情報を得ることが推奨されています。
防災グッズとしてラジオを用意するときは、上記のような『充電方法が複数ある・ラジオ以外の機能がついている』種類がおすすめです。
この製品は、『AM/FMラジオ、ライト、モバイルバッテリー、SOSアラーム』の機能があり、『手回し、ソーラー発電、USB、乾電池』で充電することができます。
防災備蓄用アルミ真空パックマスク
※購入は、ご自身の判断・責任のもと行ってください。
避難所で過ごすときは、感染症対策としてマスクの着用が必要になる場合があります。
ふだん使っているマスクを多めに持って行ってもいいですが、防災備蓄用マスクは真空パックされていて『衛生的に保存しやすい・かさばりにくい』などの利点があります。
超・防災用ウェットティッシュ
※購入は、ご自身の判断・責任のもと行ってください。
感染症対策に消毒用エタノールがあると安心できますが、消毒液はかさばったり液漏れが心配なので、ウェットティッシュで代用しましょう。
上記の製品は未開封状態で『5年間』の保存が可能といわれています。
自宅避難・数日間の避難のときに用意しておきたい防災グッズを紹介
水・電気・ガスなどのライフラインが途絶えてしまったときの備蓄は『3日間』程度が目安とされています。また、大規模災害の場合は『1週間』ともいわれています。
数日以上の長期にわたってライフラインが使えなくなったときに備えて、自宅には常に、少し多めに常備品や防災グッズを用意しておくといいでしょう。
また、避難所で数日以上過ごす場合の備えとして流用することもできます。
TRIEM防災セレクト 非常食(7年保存)
※購入は、ご自身の判断・責任のもと行ってください。
防災用の保存食は『お湯で温める・水でもどす』など水を使うものが多いですが、水道が止まっている状況では食事に使う水もなるべく節約したいかと思います。
上記の製品は水やお湯が不要で開封してすぐに食べられるので、飲料水を確保しやすくなります。
保存期間は7年で、一般的な保存食より少し長めです。
10年保存水 ミネラルウォーター カムイワッカ麗水 2L×6本セット
※購入は、ご自身の判断・責任のもと行ってください。
飲料水としてペットボトルの水を備蓄するときは、なるべく消費期限が長いものを選ぶと交換の頻度を減らせます。
この製品は保存期間が10年と比較的長く、2Lのペットボトルが6本セットになっているので備蓄水として保管することにも向いています。
驚異の防臭袋 BOS (ボス) 非常用 簡易トイレ
※購入は、ご自身の判断・責任のもと行ってください。
水道が止まっているときはトイレの水洗が使えないので、携帯トイレや簡易トイレを用意しておく必要があります。
自宅用の簡易トイレは、便器に『凝固剤を入れた防臭袋』をかけてから、通常と同じように使用するだけです。
便器がない車中泊や避難所で使用するときは、組み立て式のポータブルトイレも用意しておきましょう。
※購入は、ご自身の判断・責任のもと行ってください。
Beaudens ポータブル電源
※購入は、ご自身の判断・責任のもと行ってください。
災害時に停電が起こったときは、蓄電池やポータブル電源があれば少しの間は電気を使うことができます。
避難が長期化するとモバイルバッテリーだけでは足りなくなる可能性があるので、容量の多いポータブル電源もあると便利です。
時間が経つと放電して電池がなくなってしまうので、定期的に充電して非常時でも使えるように備えておきましょう。
イワタニ カセットフー 達人スリム
※購入は、ご自身の判断・責任のもと行ってください。
火を使って加熱調理やお湯を沸かせるだけでも、避難生活での食事をかなり改善させることが期待できます。
ガスが使えないときは、カセットガスをセットして使えるカセットコンロで代用しましょう(火災には十分注意します)。
避難所に持って行くときは、上記のような薄型でコンパクトなものがおすすめです。
防災グッズで『いらなかったもの』があったケースを紹介
緊急時に持ち出せるものは限られるため、なるべく不要なものは持って行かないようにしたいところです。
必要なもの・不要なものは避難する人や状況によって異なりますが、不要だったものの理由や状況などの各種ケースをチェックしておくと、自分の場合に置き換えて考えやすくなると思います。
グッズ | 使わなかった理由 |
---|---|
コンパス | 方向を知っている近所の避難所に行くので使わなかった。
避難所が遠いときは、平時にルートを確認しておいた方が安心 |
ロープ | 救助活動や高所作業などに慣れていない人だとうまく扱えず、かえって危険になることがある |
毛布 | 自宅では役立つが、かさばるので避難所に持って行くのは難しい場合がある。
持ち出しの防寒グッズはコンパクトな寝袋やアルミシートがおすすめ |
ロウソク | 火災のおそれがあるため、避難所では使用できない場合がある |
ただし、上記のグッズも状況によっては必要になる・役に立つ場面が出る可能性はあります。あくまで参考程度に考えておきましょう。
防災グッズのおすすめ10選!種類や選び方まとめ
今回は、防災グッズのおすすめをご紹介させていただきました。
防災グッズは、避難時の状況や避難する人によって必要なものが異なります。緊急時にとっさに用意することは難しいので、平時に『災害時に必要なものをリストアップし、揃えておく』ことが大切です。
ご紹介したリストやおすすめグッズを参考にしながら、ご自身やご家族にあわせた防災グッズを選んで、いざというときの備えとしておきましょう。